ここ数年、テレビや新聞紙面等で著名人が自らのうつ病体験を告白したり、精神科・心療内科の病気がよく取り上げられる様になりました。それらは精神科の病気に対する誤解や偏見をなくすことや、患者さんに希望を与えることに大いに貢献していると、私は思います。以前に比べて精神科・心療内科も随分オープンになってきたな、と感じます。

最近ではメンタルクリニックに10代の女性が、彼氏を連れて受診することも珍しくありません。この様にメンタルクリニックで毎日患者さんの診療をしていますと、日々色々なことに気付かされます。その一つをあげると、最近は「うつ病までは至っていないが、“うつ状態”の患者さんが増えている」と感じることです。

病名を知らない患者さんが多い

男女喧嘩精神科医は概して、病名を患者さんにハッキリと伝えない傾向があると思います。引っ越しを機に他の病院から私のクリニックへ転医してきた患者さんに「前の病院では病名は何と聞いていますか?」と質問すると、半数近くの患者さんが「特に聞いていません」と答えます。

自分の病名を知らない(聞かない)患者さんもどうかなと思いますが、患者さんに病名を伝えないのもいかがなものでしょう。「知らぬが仏」という諺がありますが、患者も医者も精神科の病名に対して過剰反応をしているのでしょうか。ですが、私は初診の患者さんにも努めて病名を伝える様にしています。

確かに初診だけでは病名が確定しないことも珍しくありません。病名がハッキリしない場合には、その時の症状(抑うつ・不安等)を出来るだけ整理して伝えることにしています。

メンタルクリニックを受診される患者さんの代表的な症状として「不眠・抑うつ」が圧倒的に多くみられます。

「不眠・抑うつ」と聞くと、大抵の人は「うつ病」を頭に思い浮かべるでしょう。しかし最近はうつ病ではない患者さんも増えている、と感じる精神科医は決して私だけではないはずです。この抑うつ状態をしばしば「うつ病」と思いこみ、当院を受診される患者さんも多いのです。